「東京発・伝統WA感動」とは
開催趣旨

 能楽、文楽、歌舞伎、邦楽、茶道、華道など、日本には世界に誇るべき伝統芸能・文化があります。それは日本人が自然と向き合い、共生し、人の和を大切にしながら長い時をかけて育んできた財産。さまざまな伝統と共に、根底にある「自然とのつきあい方」や「和の心」を次世代に継承していくことが現代に生きる私たちに求められています。しかし、未来を担う子供たちがその魅力に触れる機会はどんどん少なくなっています。

 こうした時代背景を考え、「東京文化発信プロジェクト」の一環として始まったのが、誰でも気軽に参加できる「東京発・伝統WA感動」。伝統芸能・文化の魅力を国内外に向けてアピールし、その普及と活性化を図っていく事業です。
 今年度からは、「伝統芸能公演」に「キッズ伝統芸能体験」と「東京大茶会」が新たに加わり、多彩な企画がそろいました。「キッズ伝統芸能体験」は、子供たちが7ヶ月間にわたって一流の実演家から能楽や日本舞踊など伝統芸能を学んで、ひのき舞台で発表する本格的プログラムです。「東京大茶会」では、和の心、茶の心を都民をはじめ、東京都を訪れる外国人や多くの方にも楽しんでいただきます。

 また、第2回目を迎える「伝統芸能公演」の今年のテーマは「声-語る・唄う」。江戸時代から庶民の憩いの場として親しまれてきた隅田川を舞台に名手が競演する、能と邦楽「隅田(すだ)の四季」を中心に、伝統芸能を気軽に体験して楽しんでもらう「ワークショップ[邦楽ワンダーランド!]」、天台声明「投華得仏(とうけとくぶつ)」、民俗芸能「東京・江戸の賑わい その2」、88年ぶりに二つの流派が共演する邦楽「清元」などを行います。

 便利さだけではなく、ゆたかな文化や環境、多彩な価値と魅力を備えていることこそ、都市が発展する条件といえる現代。この「東京発・伝統WA感動」は、日本の伝統を継承すると同時に「芸術文化創造都市」としての東京を世界に広く発信し、大きな未来を育むプロジェクトです。


< 東京文化発信プロジェクトとは >
東京文化発信プロジェクトは、世界の主要都市と競い合える芸術文化の創造発信と、芸術文化を通じた子供たちの育成、多様な地域の文化拠点の形成を目的として、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が芸術文化団体、アートNPO等と協力して実施しているプロジェクトで、平成20年度に開始し、今年で3年目を迎えます。
演劇、音楽、伝統、美術など様々な分野のイベントやフェスティバル、まちなかで市民とアーティストが協働するアートプログラム、まちとアートをつなぐ人材の育成事業、子供向けの体験型プログラムなどの事業を展開しています。
文化基盤の厚さ、先進巨大都市としての活力や多様性を最大限に活かし、東京の魅力を創造発信することで、世界における東京の文化面でのプレゼンスを確立するとともに、アジアをはじめ世界の様々な都市との国際文化交流拠点となることを目指しています。



開催概要